先々を予測して準備しながら、本人・家族に寄り添う
在宅療養を始めてしばらく経つと、徐々に要介護度が高くなってきます。
本人の状態が変われば、必要な支援も自ずと変わってきますから、そのときどきで支援の内容や介護の計画も変更していきます。
一般に医療・介護の専門職は、たくさんの方々の治療・療養の経過をみていますから、その人が今の状態からこの先どういう経過をたどるか、ある程度は予測が立つことも多いものです。
足腰が弱ってふらつきがある人であれば、やはり転倒の危険が高いのは事実です。転倒して打ち所が悪ければ、最悪は命に関わるケースもあり得ます。
転倒事故を回避する目的で、まだ歩ける人であっても、早めに車椅子に変更するという方針の医師もいます。特に病院や高齢者施設では、そうした事故対策が優先されがちです。
本人の状態が変われば、必要な支援も自ずと変わってきますから、そのときどきで支援の内容や介護の計画も変更していきます。
一般に医療・介護の専門職は、たくさんの方々の治療・療養の経過をみていますから、その人が今の状態からこの先どういう経過をたどるか、ある程度は予測が立つことも多いものです。
足腰が弱ってふらつきがある人であれば、やはり転倒の危険が高いのは事実です。転倒して打ち所が悪ければ、最悪は命に関わるケースもあり得ます。
転倒事故を回避する目的で、まだ歩ける人であっても、早めに車椅子に変更するという方針の医師もいます。特に病院や高齢者施設では、そうした事故対策が優先されがちです。
しかし、私たち在宅医療チームは“在宅での生活を支えるプロ”です。「いずれ転倒しそう、危なっかしい」と思っても、本人にまだ歩きたい意欲があるうちは、できるだけその意思を尊重するようにしています。
事故を防ぐ目的で、車いすやベッドから動けないようにしてしまえば、確かに事故は減るかもしれませんが、同時に要介護の人の自由な生活も奪われてしまいます。
事故を防ぐ目的で、車いすやベッドから動けないようにしてしまえば、確かに事故は減るかもしれませんが、同時に要介護の人の自由な生活も奪われてしまいます。
また介護をしているご家族の気持ちについても、同じことが言えます。要介護度が上がり、明らかに施設介護が必要な段階であてtも、家族としてはその変化を受け入れられず、気持ちの整理がつかないケースというのはよくあります。
もちろん、専門的な知見からその時期に合ったアドバイスや提案はするのですが、それを家族が受け入れられないときは、私たちが考える“正解”を押し付けないように注意しています。
このとき、私たちにできることは、先々に起こり得るリスクを予測し、いざというときにすぐに対応できるよう準備・対策をしておくことです。
そして、家族が変化を受け入れられるようになるときを待ちます。
この「待つ」という姿勢も、本人・ご家族に寄り添う支援をするためには、非常に重要な要素です。本人の状態の変化とともに、ご家族の気持ちも少しずつ変わっていくものです。在宅医療チームも一緒に悩み、その人その家族にとって納得のいく着地点を一緒に考えていくことが大切です。
もちろん、専門的な知見からその時期に合ったアドバイスや提案はするのですが、それを家族が受け入れられないときは、私たちが考える“正解”を押し付けないように注意しています。
このとき、私たちにできることは、先々に起こり得るリスクを予測し、いざというときにすぐに対応できるよう準備・対策をしておくことです。
そして、家族が変化を受け入れられるようになるときを待ちます。
この「待つ」という姿勢も、本人・ご家族に寄り添う支援をするためには、非常に重要な要素です。本人の状態の変化とともに、ご家族の気持ちも少しずつ変わっていくものです。在宅医療チームも一緒に悩み、その人その家族にとって納得のいく着地点を一緒に考えていくことが大切です。
介護スタッフの意見は家族と同等の重み
在宅医療では、家族だけでなく、在宅医療チームのメンバーも訪問看護師、ヘルパーなど誰かしらが、ほぼ毎日のようにお宅を訪れ、生活を継続してみていくことになります。
こうした複数の目で見守る体制であれば、高齢者の体調変化や、変化の予兆に気づくチャンスも多くなります。症状が軽いうち、予兆のうちに気づいて早く手を打てば、入院しなければならないような大事に至ることも少なく、在宅での生活を継続しやすくなります。
高齢者の体調変化は、食事でむせることが増えた、いつもより眠気が強そうだった、声が嗄れていたなど、高齢者に日常に接している人が「何かいつもと違う」と感じるような、些細な変化から始まることも少なくありません。
在宅医療チームでは、高齢者に接する時間が多いのはヘルパーなど介護スタッフのことも多く、介護スタッフの意見や気づきは、ご家族の意見と同等の重みがあります。私は医師や看護師だけでなく、ヘルパーさんにも「今日は変わったことはないですか」とこちらから声を掛け、積極的に情報共有することを意識しています。
こうした複数の目で見守る体制であれば、高齢者の体調変化や、変化の予兆に気づくチャンスも多くなります。症状が軽いうち、予兆のうちに気づいて早く手を打てば、入院しなければならないような大事に至ることも少なく、在宅での生活を継続しやすくなります。
高齢者の体調変化は、食事でむせることが増えた、いつもより眠気が強そうだった、声が嗄れていたなど、高齢者に日常に接している人が「何かいつもと違う」と感じるような、些細な変化から始まることも少なくありません。
在宅医療チームでは、高齢者に接する時間が多いのはヘルパーなど介護スタッフのことも多く、介護スタッフの意見や気づきは、ご家族の意見と同等の重みがあります。私は医師や看護師だけでなく、ヘルパーさんにも「今日は変わったことはないですか」とこちらから声を掛け、積極的に情報共有することを意識しています。