排泄の失敗も、さまざまな原因がある
在宅で生活していてトイレの失敗が増えてくると、介護をしている家族は精神的・身体的に負担が大きくなってきます。
失敗した場所やタイミングによっては、衣服が汚れるだけでなく、室内も汚れてしまいます。寝ている間にたくさんの尿が漏れ、布団がびしゃびしゃになって片付けに苦労する、といった例もあります。
そうした失敗が月に1、2回なら、まだ影響は少ないかもしれませんが、だんだん頻度が増えて週に何度も……となると、家族の疲労が色濃くなってきます。
排泄の失敗は、「年を取れば仕方ない」と思われがちですが、その背景にはさまざまな原因が考えられます。
高齢者で多いのは、尿意・便意はあるものの、トイレまで間に合わずに出てしまうパターンです。加齢によって筋力や神経が衰え、排尿・排便のコントロールがうまくいかなくなるケースが少なくありませんが、過活動膀胱や前立腺肥大によって頻尿が起きることもよくあります。こうした泌尿器科の病気の症状が強いときは、治療が必要になることもあります。
失敗した場所やタイミングによっては、衣服が汚れるだけでなく、室内も汚れてしまいます。寝ている間にたくさんの尿が漏れ、布団がびしゃびしゃになって片付けに苦労する、といった例もあります。
そうした失敗が月に1、2回なら、まだ影響は少ないかもしれませんが、だんだん頻度が増えて週に何度も……となると、家族の疲労が色濃くなってきます。
排泄の失敗は、「年を取れば仕方ない」と思われがちですが、その背景にはさまざまな原因が考えられます。
高齢者で多いのは、尿意・便意はあるものの、トイレまで間に合わずに出てしまうパターンです。加齢によって筋力や神経が衰え、排尿・排便のコントロールがうまくいかなくなるケースが少なくありませんが、過活動膀胱や前立腺肥大によって頻尿が起きることもよくあります。こうした泌尿器科の病気の症状が強いときは、治療が必要になることもあります。
また、認知症が原因での排泄トラブルもあります。この場合、トイレの場所がわからなくなって漏らす、廊下などトイレではないところをトイレと間違えて排尿する、といった症状が現れます。
後者の場合、本人はトイレで排泄しているつもりなので、下着や衣類は汚れませんが、トイレと間違えた場所が排泄物で汚れるという状態になります。
このほかに糖尿病による神経障害や脊柱管狭窄症などにより、尿意・便意が神経にうまく伝わらなくなり、排泄トラブルにつながることもあります。
後者の場合、本人はトイレで排泄しているつもりなので、下着や衣類は汚れませんが、トイレと間違えた場所が排泄物で汚れるという状態になります。
このほかに糖尿病による神経障害や脊柱管狭窄症などにより、尿意・便意が神経にうまく伝わらなくなり、排泄トラブルにつながることもあります。
トイレ環境を整えるなどの対策からスタート
高齢者の排泄トラブルの対策としては、トイレ周りの環境を整えるところから進めていきます。
在宅医療を始めるときにも、介護の住環境に詳しい専門家にアドバイスを受けているかもしれませんが、失敗が増えてきたときは、あらためてトイレに近い居室に移るのも一案です。
ほかにもトイレのドアを開けやすい引き戸にする、便座の周りに手すりを設置する、便座を座りやすい高さにするといったことで、トイレに行きやすくなり、失敗が減ることもあります。
トイレまでの移動に時間がかかる人では、ポータブルトイレを活用するのもいいでしょう。
昼間はなるべく歩いて廊下の奥のトイレに行き、夜間は寝室に置いたポータブルトイレで用を足すのもいい方法です。ポータブルトイレは福祉用具の1つであり、介護保険サービスで購入費の補助を受けられます。
在宅医療を始めるときにも、介護の住環境に詳しい専門家にアドバイスを受けているかもしれませんが、失敗が増えてきたときは、あらためてトイレに近い居室に移るのも一案です。
ほかにもトイレのドアを開けやすい引き戸にする、便座の周りに手すりを設置する、便座を座りやすい高さにするといったことで、トイレに行きやすくなり、失敗が減ることもあります。
トイレまでの移動に時間がかかる人では、ポータブルトイレを活用するのもいいでしょう。
昼間はなるべく歩いて廊下の奥のトイレに行き、夜間は寝室に置いたポータブルトイレで用を足すのもいい方法です。ポータブルトイレは福祉用具の1つであり、介護保険サービスで購入費の補助を受けられます。
おむつへの移行は、人の尊厳にも関わるので慎重に
最近は紙おむつの性能が良くなり、肌触りが下着のように快適なものも出ています。トイレの失敗が増えたら、おむつにすればと思うかもしれませんが、安易におむつに頼るのはおすすめしません。
排泄したいときはおむつにしてもいいとなると、次第に尿意・便意の感覚が失われ、自分でトイレに行く意欲ももてなくなります。
要介護になったとしても、人としての尊厳を守るためにも、できるだけトイレで排泄できるように支援することが大切です。
おむつを使うとしても、まだトイレで排泄する力が残っている人であれば、夜間や外出時の失禁対策など、時間や機会を限ってメリハリをつけて使うといいと思います。
ただし、「自分でトイレに行く」ことにこだわりすぎて、転倒・骨折して入院となる例もありますから、そこは慎重な見極めが必要です。
高齢者や要介護の人が寝たきりになり、尿意・便意も感じにくくなっているときは、おむつに移行することが多くなります。
おむつにはテープで留めるタイプ、パンツのようにはくタイプ、尿取りパッドなどがあります。またサイズや尿量がその人に合っていないと尿が漏れるほか、不快感の原因にもなります。
おむつを使う段階になったときは、その人に合ったおむつの形状やサイズの選び方、おむつ交換の方法などについて、看護師の指導を受けるといいでしょう。
排泄したいときはおむつにしてもいいとなると、次第に尿意・便意の感覚が失われ、自分でトイレに行く意欲ももてなくなります。
要介護になったとしても、人としての尊厳を守るためにも、できるだけトイレで排泄できるように支援することが大切です。
おむつを使うとしても、まだトイレで排泄する力が残っている人であれば、夜間や外出時の失禁対策など、時間や機会を限ってメリハリをつけて使うといいと思います。
ただし、「自分でトイレに行く」ことにこだわりすぎて、転倒・骨折して入院となる例もありますから、そこは慎重な見極めが必要です。
高齢者や要介護の人が寝たきりになり、尿意・便意も感じにくくなっているときは、おむつに移行することが多くなります。
おむつにはテープで留めるタイプ、パンツのようにはくタイプ、尿取りパッドなどがあります。またサイズや尿量がその人に合っていないと尿が漏れるほか、不快感の原因にもなります。
おむつを使う段階になったときは、その人に合ったおむつの形状やサイズの選び方、おむつ交換の方法などについて、看護師の指導を受けるといいでしょう。