脳の本来の働きが失われ、さまざまな症状が出現
認知症の症状の現れ方は、人によってそれぞれです。
認知症の種類(アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型など)や進行度によっても違いますが、その人のもともとの性格・性質や周囲の環境、人間関係などによっても変わってきます。
ただ認知症のほぼすべての人に現れる中核症状としては、次のようなものが挙げられます。
認知症の種類(アルツハイマー型、脳血管性、レビー小体型など)や進行度によっても違いますが、その人のもともとの性格・性質や周囲の環境、人間関係などによっても変わってきます。
ただ認知症のほぼすべての人に現れる中核症状としては、次のようなものが挙げられます。
- 記憶障害 過去に経験した出来事の「いつ・どこで・何をした」というエピソード記憶や、一般的な知識・常識などの意味記憶に障害をきたします。
- 見当識障害 現在の日付や時刻、場所、季節、人物などがわからなくなり、良く知っているはずの場所で道に迷うなどの症状が起こります。
- 言語障害 言葉が出ない、言い間違いが増える、相手の話している言葉が理解できない、などの言語障害が起こることもあります。
- 実行機能障害 物事を計画し、順番に進める作業が難しくなります。料理をしていて途中で手順がわからなくなる、洗濯機の使い方がわからないなど。
- 失行 身体機能に問題があるわけではないのに、ボタンをはめるといった通常の日常動作ができなくなる症状です。
- 失認
こうした中核症状によって、本人は強い不安や焦燥感、混乱などを覚え、怒りっぽくなる、攻撃的になる、物盗られ妄想といったさまざまな周辺症状(BPSD)が出てくると考えられています。
認知症の周辺症状が強く現れてくると、介護をするご家族も対応に追われ、疲れや苛立ちを感じるようになります。追い詰められた家族によって家庭内暴力や虐待が起こる例もあります。
在宅医療チームの訪問看護師や介護スタッフは、認知症の介護についても専門的な知識をもっています。在宅医療で困った言動が出てきたときは、一つひとつの症状にどう対応すればいいのか、看護師らに指導を求めるといいと思います。
認知症の周辺症状が強く現れてくると、介護をするご家族も対応に追われ、疲れや苛立ちを感じるようになります。追い詰められた家族によって家庭内暴力や虐待が起こる例もあります。
在宅医療チームの訪問看護師や介護スタッフは、認知症の介護についても専門的な知識をもっています。在宅医療で困った言動が出てきたときは、一つひとつの症状にどう対応すればいいのか、看護師らに指導を求めるといいと思います。
ショートステイやレスパイト入院で、家族も休養を
また認知症の人を介護していると、ご家族は予測できない言動に毎日振り回され、夜間も休日も気持ちの休まる時間がありません。そこに仕事のストレスなどが重なると、ご家族の方が心身のバランスを崩してしまう例も珍しくありません。
認知症の人の介護は、5年10年と長期にわたって続くケースもよくあります。家族の方々は時折、介護から離れる時間をもつようにし、意識して心身を休めることも重要です。そうすることで、要介護者との関係もより良くなることも多いのです。
介護保険サービスでは短期宿泊ができるショートステイがありますし、介護者の休養のために一時入院させるレスパイト入院という方法もあります。施設を利用することで家族の立ち位置を変えることもできるので、在宅医療チームと相談し、上手に休養を取っていただければと思います。
認知症の人の介護は、5年10年と長期にわたって続くケースもよくあります。家族の方々は時折、介護から離れる時間をもつようにし、意識して心身を休めることも重要です。そうすることで、要介護者との関係もより良くなることも多いのです。
介護保険サービスでは短期宿泊ができるショートステイがありますし、介護者の休養のために一時入院させるレスパイト入院という方法もあります。施設を利用することで家族の立ち位置を変えることもできるので、在宅医療チームと相談し、上手に休養を取っていただければと思います。